2022年に入ってから楽天関連サービスの改悪が続きました。
特に楽天証券に関連したサービスの改悪は投資を行っている人にとっては深刻ですよね。
かく言う自分も今回の改悪を受けて、楽天証券に預けていた投資信託をSBI証券に移管することにしました。
ただ、これが結構注意点が多いのです。
この記事では、楽天証券で投資信託を購入しているけど今後どうしようか悩んでる方に向けて、楽天証券からSBI証券への投資信託移管手続の注意点を解説していきます。
実際に私自身が実施してきた内容を基に解説していますので、移管手続の実態についてぜひ参考にしてください。
楽天証券の改悪

具体的にどんな改悪があったのか、改めて整理していきます。
投資信託保有残高ポイント
他証券会社への移管手続を検討するきっかけとなったのがこの改訂です。
これまで楽天証券では月末の投資信託保有残高10万円ごとに4pt(一部銘柄は3pt)の楽天ポイントが付与される特典がありました。
これが2022年4月末残高から、銘柄に関係なく合計資産が一定額を超えるとポイントを付与される仕組みに変更となりました。
公式サイトにてポイント付与数の詳細が公表されていますが、数百万円預けてやっと数百ポイントが1回もらえるだけなので、ほぼ無くなるに等しい改悪です。
楽天カード積立
長年「楽天証券は楽天カードでの積立がオトク!」と言われていた1%還元にもメスが入りました。
2022年8月買付分までは楽天カードでどのファンドでも還元率が変わらず1%、月々最大500pt獲得できます。
しかし、2022年9月買付分から優良なファンドを購入した際の付与率が0.2%に悪化します。
代行手数料(信託報酬のうち楽天証券の取り分)が年率0.4%を超えるファンドの買付であれば、これまでどおり1%付与を維持できますが、優良と呼ばれるファンドが信託報酬0.2%を切るような中、長期投資に向いた商品の購入には適さなくなりました。
一方、楽天キャッシュという電子マネーでの投資信託買付が開始します。
楽天キャッシュへは楽天カードからチャージでき、その際0.5%のポイント還元が受けられます。
投資信託の買付でポイント付与される方法が増えるのはいいですが、楽天カードの1%還元には及ばない内容となっているのがネックです。
SBI証券やマネックス証券の方がクレジットカード積立の側面では有利です。
SBI証券のキャンペーン

そんな改悪が続く楽天証券ですが、ライバルのSBI証券ではタイミングを合わせたかのようなキャンペーンが始まっています。
それが「投信お引越しプログラム」の恒常サービス化です。
個人的には、このサービスが楽天証券から移管手続を行う決定打になりました。
通常、投資信託を他の証券会社に移管する場合、移管元の証券会社で投資信託の出庫手数料が発生します。(楽天証券の場合1銘柄あたり3,300円)
これまでSBI証券ではたまに、その出庫手数料を後日キャッシュバックしてくれるサービスをキャンペーン扱いで実施していました。
それが2022年1月から恒常的なサービスとして展開されるようになったのです。
しかも、SBI証券では「投信マイレージサービス」という投資信託保有残高に応じたポイント付与制度は健在です。
このため、楽天証券からSBI証券へ投資信託する絶好の機会となっているのです。
移管手続の流れ

事前準備
楽天証券口座内に出庫手数料分のお金を予め準備しておくとスムーズです。(私自身設定しておかなかったため、後の手順で入金確認があり、ちょっともたつきました。)
出庫手数料は1銘柄あたり3,300円なので、移管する銘柄数を掛けた金額を楽天証券口座内に移動しておきます。
楽天証券へ電話
移管手続きのスタートとしては、楽天証券のカスタマーサービスセンターに電話する必要があります。
- 固定電話:0120-885-485
- 携帯電話:0570-09-1004 or 03-6739-3300
- 営業時間:平日8:30~17:00 (土日祝・年末年始を除く)
オペレーターにつながると本人確認を受けることになります。
部店-お客様コード(口座番号) とログインIDが必要になるので、予めこれらの情報は控えておくのがオススメです。
部店コード、お客様コードの確認の仕方は公式サイトをご覧ください。
無事本人確認が完了した後に、投資信託の出庫手続をしたい旨を伝えると、どうやら折り返し担当の人から電話をもらうことになりました。
(カスタマーサポートが営業している17:00までの間の1時間単位の時間指定を求められます。)
移管手続の注意点
指定した時間帯の間に折り返し電話がきたので、出庫手続の色々説明を受けます。
ざっと聞いた内容は以下のとおりです。
- 楽天証券の登録した住所に郵送で手続書類が送られてくる
- 手続書類に記入して投函後1週間ほどで手続が開始
- 手続開始すると投資信託の新規買付が不可となる(口座がロックされる)
- 手続書類1枚につき4銘柄しか記入できないので、5銘柄以上移管する場合は複数枚もらう必要がある
- 手続書類に不備があると再度書類を取り寄せるところからやり直し
なお、楽天カードでの積立に関しても、例えクレジットカードの引落しが発生していても、実際の買付時(月末~翌月初頃)にロック中だと購入に失敗してクレジットカード上の引落しの明細が差し戻されることになります。
書面記載&投函
自分の場合は2022年1月4日に電話して2022年1月6日に書類が届きました。
記載事項は以下のような基本的な内容です。
- 住所氏名
- 楽天証券やSBI証券の口座情報
- 移管対象銘柄と口数
- 移管希望日
特に難しい点はないですが、強いて難点を挙げるすると銘柄名記入欄が狭いことです。
恐らく10cmも無いと思われる狭さです。
そんな中、「正しく銘柄名記入しないと移管しません」と注意事項等で強調されているので注意が必要です。
楽天証券内での銘柄名を正確に書くように意識して、名称が長い場合は記入欄を2行で使いなど計画的に書きましょう。
また、移管希望日は書類が楽天証券側に到着した日の翌日から7営業日以降の日を指定できるようです。
ただし、日にちの計算も手間なので、特にこだわりが無ければ、記入欄のすぐ下にある「可能な限り早い日を希望」にチェックを入れるのが無難です。(私自身もそうしました。)
口座ロック
書類に問題が無ければある日突然証券口座にロックがかかります。(ログインや保有資産の閲覧等はできます。)
自分の場合、2022年1月8日に書類を投函して2022年1月28日にロックがかかりました。約3週間で口座がロックされたことになります。
そして、2022年2月5日に楽天証券口座から投資信託が無くなっていました。
なお、この間の期間(2022年1月31日)で先述の楽天カード積立買付が予定されていたため、1月31日に一時的にロック解除をしてもらってます。
移管手続完了
2022年2月5日に楽天証券口座から投資信託が無くなり、翌日6日にSBI証券口座に投資信託が反映されました。
なお、SBI証券側で入庫日を確認すると2022年2月4日となっていました。
投資信託の移管手続は、ロックがかかってから1週間ほど、移管手続用の書類を投函してから1か月弱かかった計算になります。
移管手数料キャッシュバックの準備
楽天証券側に出庫手数料の領収書を発行してもらう必要があります。
そこで、移管手続スタートした時と同じ番号に電話をかけます。
2月10日に電話をかけましたが、時期的に出庫手数料の領収書をもらいたい人が多かったらしく、発行まで2週間かかるとのことでした。
そして2月17日には封筒が届きました。1週間で郵送完了とはなかなか優秀です。
封筒には移管手続結果の書類も同封されていました。
提出した書類に担当の人が色々記入したものをコピーした用紙ですけどね。
キャッシュバック申請
楽天証券から領収書を入手したらSBI証券に申請を行います。
SBI証券の投信お引越しプログラムのページにある申請書を印刷し、手数料や銘柄名などを記入します。
また、楽天証券から受け取った出庫手数料の領収書はコピーをとり同封します。
私の場合、これらを2022年2月19日に投函しました。
キャッシュバック確認
実際にキャッシュバックが証券口座内に振り込まれたのは2022年5月6日でした。
入金自体はキャンペーンページにあったとおり、2022年4月末に行われており、自由に引き出せるようになったのが5月6日からとなりました。
一見遅いように見えますが、ゴールデンウィークで営業日がズレ込んだ影響になります。
これにて一連の手続きは完了です。
今後の楽天証券の使い方

長期投資に楽天カードを活用した積立は有利ではなくなりました。
しかし、クレジットカードで積立てた投資信託を即売りしてポイント稼ぎする場合は楽天証券×楽天カードを使うのがオトクです。
楽天カードの積立でポイント付与率が0.2%となるのは、代行手数料(楽天証券の取り分)が年率0.4%未満のものであることを逆手に取ります。
つまり、代行手数料が0.4%以上の投資信託を購入&即売りする方針に切り替えれば今までどおり1%還元となります。
ポイント狙いなので値動きの小さい国内債券型の投資信託を購入&即売りが最適です。具体的に候補になるのは、
- ニッセイ国内債券アルファ
- ニッセイ日本インカムオープン(年1回決算型)
- 年金積立 日本短期債券オープン
といった銘柄です。いずれも信託報酬は1%程ですが、どうせ数日で売却するのであればほとんど誤差レベルです。
これに加えて楽天キャッシュ分の積立も開始されるので、ポイントを稼ぐ目的であれば毎月低リスクで750ポイント稼げるようになります。
楽天証券×楽天カードはあくまでポイント狙いと割り切って活用するのが最適と言えます。
まとめ
この記事では楽天証券からSBI証券への投資信託移管手続の実体験をもとに注意点を解説していきました。
改めて時系列に沿って、注意点やポイントを列記していくと以下のようになります。
No. | 日付 | 手続内容 | 注意点・ポイントなど |
---|---|---|---|
1 | 2022/1/4 | 楽天証券へ移管手続申込みの電話 | ・平日のみ対応。多少待たされる可能性もあるので余裕をもってかける ・出庫手数料(3,300円×移管銘柄数)を楽天証券口座内に残しておく |
2 | 2022/1/6 | 郵送された移管手続書類を受領 | |
3 | 2022/1/8 | 2の書類に記入し投函 | 銘柄記入欄が小さいので計画的に書く必要あり |
4 | 2022/1/28 | 楽天証券口座にロックがかかる | 以降は移管手続が完了するまで投資信託の新規買付は原則不可 |
5 | 2022/1/31 | 楽天カード積立のため一時的にロック解除を依頼 | どうしても買付けたい場合は買付当日に電話することで一時解除可能 |
6 | 2022/2/5 | 楽天証券口座内の投資信託が出庫 | この時点ではSBI証券側には残高反映はされない |
7 | 2022/2/6 | SBI証券口座に投資信託が反映 | 投資信託入庫日は2/4扱い |
8 | 2022/2/10 | 楽天証券へ出庫手数料の領収書を郵送依頼 | 連絡先は1と同じ |
9 | 2022/2/17 | 郵送された出庫手数料の領収書を受領 | 移管手続結果の書面も同封 |
10 | 2022/2/19 | SBI証券のキャッシュバック申請書を記入し投函 | 9のコピーを同封のうえ投函すること |
11 | 2022/5/6 | SBI証券口座内のキャッシュバックを引き出し可能に | キャッシュバック自体は4月末に確認 |
私の場合、移管手続開始から実際の投資信託移管完了まで約1か月かかりました。
また、キャッシュバックを含めたすべての手続きが完了するまでに約4か月かかっています。
中々手間と時間がかかるのは事実ですが、楽天証券内での投資信託残高が多いようであれば一考の余地アリです。
お得な開設方法
SBI証券の開設は、ポイントサイトを介して行うのがオススメです。
日にちによって獲得できるポイント数に幅がありますが、だいたい5,000pt以上のポイントは獲得できることが多いです。(時には10,000ptを超えている時もありました。)
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